2016年4月14日木曜日

<ゼン・ヒラノ演技ノート・第7話>

<ゼン・ヒラノ演技ノート・第7話>

『メンタルなリラックスについて』
精神的にアップ、ダウンしやすい人、ものごとに集中力を持続させるのが難しい人、頭がうるさくて何時もイライラしている人等は、首から上のリラックスから始めて前記の身体のリラックスに移ると効果がある。
リラックスの訓練は椅子に座って行うとやりやすい。

1)こめかみ
長時間本を読んだり、考えごとに囚われたりするとこめかみを無意識に揉み始めたりする。こめかみにはたくさんの神経系統が集まっていて緊張しやすい。
まず、こめかみにそっと指先を当てて位置を確かめる。こめかみにゆるめ、ゆるめとやさしく命令する。(舞台で指で揉むわけにいかない) 想像で暖かい日光や、おしぼりが当たっているとか、数分間右のこめかみに集中する。ゆるめ、ゆるめと。ここでも、また、結果を求めない、プッシュしない。 (ボティビルダーが身体の一部を鍛えるとき、その部分に意識を集中させることが必要不可欠だと云われる) リラックスも集中なくして成立しない。次に左のこめかみに移り、そして両方のこめかみを同時に。
2)眼
我々は日常の生活を90パーセント眼に頼っていると云われる。四六時中眼に頼って生活しているので疲れやすい。疲れの為無意識に目頭を押さえることがある。
まず、右目から始めよう。右目に注意を集中してかるーく瞼を閉じてみよう。暖かな丸い水槽で、金魚がポッカと浮いているように目玉が浮いている等、自分の自由な発想で慌てず、急がずユックリと時間を掛けて集中してみよう。左目、両目と移っていく。
3)顎
あごの筋肉を緩めてみよう。口は身体の中で一番訓練された部分だと云われる。
考えると同時に言葉を発している。言葉にして初めて自分が何を考えていたかを知ることができる程の驚くべきメカニックが働いている。又、それと反対にこんなことを言ってはまずいなと思った瞬間ブレーキがかかリ口を閉ざす。頻度が多く緊張しやすい場所だ。
顎に集中してユックリとゆるまるように、上下、左右、前後に動かしてみよう。
ついでに舌も突き出したりして時間を掛けて緩めてみよう。よだれが出るような、二重顎に感じるまでにリラックスさせてみよう。
4)首の後ろ
首は重い頭を支えているので緊張しやすい。前後、左右、上下、斜めと必要に応じて又は、刺激に従って常に無意識的に動かしている。首は、その中に動脈(血管)、気道、食道、神経、頸椎(骨)が通っている。人間の生命に関わる重要な部分で緊張しやすい。
先ず、背もたれのある椅子にだらしなく座って、全ての体重を預けって首を後ろに落としてみよう。左右にユックリとゆるまるように動かしながら深く深く落と していく。呼吸を止めないこと。(僕の経験で、一女生徒の首のリラックスを調べるために彼女の頭を右手で支えた時にあまりのリラックスのすごさに、手を離 したら彼女の頭が床に落ちるのではないかと恐怖を覚えたことがあります。数千人以上の俳優リラックスをしらべてきての初めての経験です。)

この椅子に座った姿勢で初めに戻ってこめかみ、眼、顎、首と必要なところをより深くリラックスするように努力する。
但し一生懸命にやると余分な力が入って逆効果になるので楽に、楽に軽い関心を持って少しづつリラックスの深みに入っていく。
必要な時間を掛けてリラックスできたら次に移る。
椅子に座ったそのままの姿勢で深い眠りに入っていくよう心掛ける。
夜行バスに乗って眠りにつくように。
但し、眠ってしまわないで、眠りの世界に入るギリギリの境界線まで近づいてみよう。人生で経験したことの無い深いリラックスを体験することだろう。

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