「私からの一番力強いメッセージは経験だ。あなた方が経験に耳を傾けさえすれば、世界は今のようではなかったはずだ。経験に耳を傾けないから、あなたがたは、何度も同じ経験をくり返さなければならない」と。
戦争の悲惨さは誰もが知っている。
僕の小学生の頃の戦争体験を思い出してみる。真夜中に突然サイレンが鳴って叩き起こされると同時に、爆弾が落ちてきて一瞬にして街は火の海と化し、空も真っ赤に焼けただれ、渦を巻いて燃え上がっていた。人びとは無口で黙々と街の外へと向かった。その足音だけが今も、鮮明に耳に残っている。落下傘で降下した米兵の死体に何人かが、弱々しく石を投げつけていたのを記憶している。
僕は、自転車だった事にも気が付かず、ハンドルを握り締めて歩いていた。燃え盛る火と熱風に取り巻かれて防火用水に飛び込んで、身体を水浸しにした。前にいた男の人が煙のなかに突っ込んで行った。大きく息を吸って後につづいた。煙に巻かれて必死に逃げながら脳裏に死を予感した矢先、煙の外に出ていた。(多くの人が街に引き返して死んだ。)
河べりに辿り着いた。
その河べりの水を両手ですくって飲んだ瞬間、吐き出してしまった。
B29爆撃機が撒いたガソリンが河一面を覆っていた。
朝になって、街全体が焼けただれていた。自分の家が無いのを知っているのに、家に向かって歩き出した。足の裏が焼けて我慢できなくなって引っ返した。
お母さんに会いたかった。
涙も出ない程沈み込んだ。
疎開先で芋の葉っぱを食べて生きながらえた。
終戦の報を聞いて、子供の僕は母に言った。
「残ったお米を食べて、今晩死のうねと」。
米兵が上陸したらみんな殺されると聞かされていたからだ。
今も、あの当時を思い出すと胸を締め付けられ、とめどなく涙が溢れてくる。
戦争の悲惨さは、誰でも知っている。
しかし、この悲惨な経験を無視して今も尚、世界の各地で人々は、殺し合っている。
世界のすべての人が、この悲惨な経験を受け入れて、NO!と言えば、
あしたから戦争はなくなる。
飢餓もなくなる。
経験を神のメッセージと受け容れて、NO!といえば、
強盗も、レイプも、ドラッグもアル中も無い世界が実現する。
しかし、人類は神のメッセージに耳を傾けなかった。
今、自分の人生を振り返ってみて、これまでに、僕を、本当に愛してくれた人が何人もいたと思う。
(天国に行ったら謝ろう。)
この経験に真摯に耳を傾けて、
今、僕の周りにいる人たちを大切にしようと思う。
ZEN
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