2016年6月15日水曜日

【ゼンヒラノ演技ノート】第15話- その2 -

*第15話ーその2ー*エクササイズ NO,5 『 五感の記憶 ー味と匂いー』

味覚と臭覚には個人差があると言われる。

一流の料理人には、何年もまえの味を覚えてると言うし、ワインの品評会では、どこの国の、どこの産地の、何年物のワインだと言い当てると言う。

味とか匂いは感情と結びついていて美味しいものを食べれば、人は幸せに成る。

(映画「バヴェットの晩餐」をぜひみてほしい。主役がすばらし演技をしているし、反目していた村人達が最高のフランス料理を食べることで仲良くなっていく。)

現場で実際に美味しいもの、暖かいものなど出てこない。たとえ出てきたにしても、アートにならない。自分の味覚と臭覚の経験を通せばプレイの要求に従って、どんなレベルの反応も表現も可能となる。つまりアートになる。

友人に臭覚が敏感で、どんな匂いも即鼻で思い出せる人がいる。
ある匂いは自分を幸せにするし、別の匂いは自分を惨めにする。匂いの記憶を使うことによって自分の気分をいつでも、 何処でも変えることができる。

自分の持つ五感の記憶のうち、得意分野を大いに活用すればいい。
生徒の一人が撮影で、キャンプでの鳥の丸焼きのシーンで、本当に食べたくなってすばらし演技が出来たと言っていたが、相手役がどうの、カメラの角度が、ライトがどうのと云われて10回も撮り直しさせられたらすっかり食欲を失ったと言っていた。

演技で大切なことは、二つ。
信じることと、信じたものを繰り返す能力である。
五感の記憶は、想像の世界を自分にとって現実とすることが出来、行き当たりばったりでなく、確実に繰り返すことができる。


ZEN

ー次回はそのアプローチについてー


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