2016年4月27日水曜日

<ゼンヒラノ演技ノート第11話>

<ゼンヒラノ演技ノート第11話>
 *第11話ーその1ー*

『五感の記憶の訓練の必要性』
最近スタニスラフスキー関係の何冊かの本を読み返してスタニスラフスキーの偉大さに改めて畏敬の念を深めると共に、恩師ストラスバーグが、スタニスラフス キーシステムの深い理解のもと、現代社会(オーディション システム)の俳優たちに適合した訓練方法を確立したことは、彼の俳優の成長を真に願う深い愛情のたまものだと確信しています。

話は逸れるが 、ニューヨークでのある大雪の日、ストラスバーグは数人の出席者しかいないスタジオに、いつもの通り、時間きっかりにずかずかと入ってきてコートを脱いで 椅子に腰掛けると後ろも振り向かずに、ステージに待機していた二人の俳優に演技のスタートの合図を出した。
彼は、個々の俳優の問題を解決すべく、すべての情熱を注いだ後、椅子から立ち上がりコートを着て、今度も後ろも振り向かずにスタジオを後にした。
僕は感動した!
ありがたいと思った。

『 Acting is believing 』
という言葉がある。
実際の恋人同士を舞台に連れて来てもアートに成らない。
ドキュメンタリーだ。
大嫌いな相手でも、想像によって胸がドキドキしたら不思議にアートになる。

俳優にとって、そこに実在しないものを
想像力によって実在させれば、アートになり、
観客に感銘を与えることが出来る。

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